- 17
- Sep
- 2016
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台風10号の猛威/豊かな自然の下で庭をつくるということ
台風10号とその災害復旧のため、十勝千年の森は8月30日から9月16日まで閉園となりました。
閉園期間中はたくさんの方々にご不便とご心配をおかけしましたことを、お詫び申し上げます。
そして何よりも、たくさんの温かい言葉をかけていただき、復旧作業に力を尽くしてくださった皆様に、心よりお礼申し上げます。
ありがとうございます。
ここに災害と復旧までの様子を記します。
2016年8月29日から3日間に渡って激しく降りつづけた雨は、日高山脈の麓を流れる芽室川を決壊させ、氾濫した川が十勝千年の森と地域一帯に押し寄せました。
荒れ狂った夥しい量の水が流れつづけ、道路が陥没し、園内のいくつもの橋や塀が流され、削り取られた園路の土砂が庭に流れ込み、ひと夜にして、風景は一変してしまいました。
十勝千年の森という場に出会い、庭づくりをはじめてから、豊かな自然に触れる喜びを感じると同時にその厳しさを知り、わたしたちのあり方がどうであろうとも、自然は絶対的な存在で、その大きさの前ではひたすら生きるしかない、と幾度となく感じさせられてきました。
今回の災害を受けてなお、自然の営みの底知れぬ深さを静かに感じています。
復旧作業は、9月2日から本格的にはじまりました。
「何があっても必ず庭を立て直す」という強い思いのもとに、荒れ果てた庭を前にしても、誰もが悲しんだり、途方に暮れたりすることもなく、ただただ手を動かしつづけ、また前に向かって進みはじめました。
そんなわたしたちに次々と声をかけて支えてくださったのは、庭の仲間です。
復旧初日に流れつづける水の害を最小限に食い止めるため、土嚢設置作業にあたってくださった真鍋庭園の皆さん。
かつて十勝千年の森のガーデナーだった高久さん。庭に戻り、一緒にキッチンガーデンに流れ込んだ大量の土砂のかき出し作業をしてくれました。
風のガーデンからは、支配人をはじめ、ヘッドガーデナーの六条さん、施設管理チームの皆さんは、2日間に渡って応援にかけつけてくださり、みるみるうちにローズガーデンを復旧してくださいました。
仕事の合間を縫って十勝千年の森に来て、土砂のかき出し作業をしてくださった大森カントリーガーデンの大森さん。
心配して何度も様子を見に来てくださり、土砂に埋もれたバラたちをひとつひとつ丁寧に砂利を取り除き、救い出してくれた紫竹ガーデンの皆さん。
いつもわたしたちを支えてくださる十勝千年の森登録ボランティアスタッフの皆さん、十勝毎日新聞社グループの災害復旧ボランティア有志の皆さん。
何時間もつづく重労働にもかかわらず、一生懸命に作業にあたってくださった皆さんの姿は、現場のわたしたちにとって、大きな励みでした。
庭がつむぐ縁とその温かさを改めて感じたのも、今回の災害からわたしたちが教わった大切なことのひとつです。
本当にありがとうございました。言葉では表すことのできない感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、本日9月17日に十勝千年の森は再び開園します。
台風の爪痕はまだ痛々しく残り、安全上、やむなく閉鎖しなくてはならない場所がありますが、それもまた、この庭が受けた自然のひとつの形だと、今そう感じながら、わたしたちは復旧作業をつづけています。その先に、厳しくも豊かな自然にとけこむ美しい庭の風景を皆さんに見ていただけることを目指して、ガーデナー一同、力を尽くしていきます。
みなさまのご来園を心より楽しみにお待ちしております。
十勝千年の森ヘッドガーデナー
新谷みどり
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